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札幌の心療内科はさっぽろ麻生メンタルクリニック

アルコール依存症

薬物の中にはその使用によって悪い結果が起こっているにも関わらず、本人の意思では中止できなくなるものがあり、このような性質の薬物を依存性薬物といいます。たとえば麻薬、覚醒剤、睡眠薬、鎮痛剤、アルコール、たばこなどにも依存性があります。
アルコール依存症とは、飲酒によって様々な悪い結果が起こっているにもかかわらず、飲み続けるのをやめられない状態を言います。
※当クリニックは、札幌市のアルコール依存症専門医療機関に認定されています。

2003年に実施された全国成人に対する実態調査によると、飲酒日に60g(純アルコール量として)以上飲酒していた多量飲酒の人は860万人、アルコール依存症の疑いのある人は440万、治療の必要なアルコール依存症の患者さんは80万人いると推計されています。
臨床の場では、女性の社会進出および人口の高齢化を反映して、女性・高齢アルコール依存症者の増加が顕著です。(cf:わが国の成人飲酒行動およびアルコール症に関する全国調査. アルコール研究と薬物依存 40: 455-470, 2005.)

症状として、耐性、飲酒行動の異常、離脱症状などがあります。
耐性とは、酒に強くなることで、酔うのに必要なアルコールの量が増えていく、もしくは同じ量のアルコールを飲んでも酔わなくなる状態を言います。また多量飲酒とは、1日平均60g(純アルコール換算:60gとはビール中瓶3本、缶チューハイ350mlx3本、日本酒3合、焼酎300ml)を超える飲酒を言います。依存症の方は、多量飲酒を超えてもなお飲み続けてしまいます。アルコールにまつわる問題の多くは、多量飲酒者が起こすことがほとんどです。
飲酒行動の異常とは、飲酒に対するコントロールを失ってしまい、家に帰るとほとんど飲んでいて家庭での自分の役割は果たせなくなります。はじめのうちは何とか仕事をやっていても次第に飲まずに過ごせる時間が短くなり、職場で昼から隠れ飲みをしたり、目を覚ますと飲酒し、酔って寝る、また目を覚ましたら飲むという連続飲酒状態に陥ります。
また、飲酒することで健康、家庭、仕事などに支障をきたすとわかっていても止められず飲み続けます。飲酒することが生活の中で何よりも優先順位が高く、飲酒のために多大な時間、お金、労力を使い、それ以外のことはできなくなります。

離脱症状とは、飲酒をやめたときに出現する症状で早期(止めて数時間~数日)では、手のふるえ、発汗、不眠、不安感、焦燥感、嘔気・嘔吐、頻脈、幻聴、けいれん発作などが見られます。後期(止めて2~3日して生じる)では、幻覚(主に幻視)、見当識障害、興奮などが見られます。

アルコール依存症かどうかを判定する最も簡単なテストとして「CAGEテスト」があります。4項目のうち2項目以上に○がついた人はアルコール依存症の疑いがあります。

CAGEテスト

以下の4項目のうち、自分に当てはまるものに○をつけてください。

  1. あなたは今までに、自分の酒量を減らさなければならないと感じたことがありますか?(cut down)
  2. あなたは今までに、周囲の人に自分の飲酒について批判されて、腹が立ったり困ったりしたことがありますか?(annoyed by criticism)
  3. あなたは今までに、自分の飲酒についてよくないと感じたり、罪悪感を持ったりしたことがありますか?(guilty feeling)
  4. あなたは今までに、朝酒や迎え酒を飲んだことがありますか?(eye opener)

 

アルコール依存が引き起こす様々な問題

身体疾患

肝障害:「1日5合、週5日5年で慢性肝炎、10年で肝硬変」といわれています。
アルコールが原因の肝障害には、脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変があります。肝硬変までいってしまうと最終的に著しい肝機能の低下から意識障害を起こし死に至るケースもあります。

膵炎:急性膵炎、慢性膵炎があります。急性膵炎の原因として最も多いのはアルコール(37%)で、次に胆石(たんせき)(24%)と原因不明の特発性(23%)が続きます。慢性膵炎の原因の一番もアルコール性のものです。

胃腸障害:急性胃粘膜病変、胃潰瘍、吸収不良症候群などが起こります。

アルコール性心筋症:心臓が肥大して、不整脈、呼吸困難、動悸などが見られます。軽症の場合は、断酒で回復しますが末期になると断酒しても回復は難しくなります。

糖尿病:アルコール性膵炎によって膵臓が委縮し、インスリン不足になることで引き起こされます。

脳神経障害:ビタミンB1の欠乏によって、ウェルニッケ・コルサコフ脳症が起こり、眼球運動障害、歩行障害、意識障害などがみられます。急性期を過ぎるとコルサコフ症候群を示すことがあり、物覚えが悪くなり、覚えていないことを聞かれると作り話をしたりします。
またアルコールのとりすぎによって、脳神経細胞が破壊されることから認知症のリスクが高まります。

精神疾患の合併

うつ病、躁うつ病、統合失調症、不安障害、他の依存症疾患、摂食障害、自傷行為等の合併が見られます。

社会的問題
家庭内:
  1. お金の問題:飲酒に多額の金銭をつぎ込む。仕事もできなくなるので、家族が働くがそのお金に手をつけて、生活費に困る等。
  2. 家庭内での役割喪失:男性がアルコール依存になると、夫としての役割(収入を得て家計を支えるなど)、父親としての役割(子どもの相談に乗る、親戚付き合いなど)ができなくなります。
  3. 安心できない家庭:本来、家庭は安心して安らげる場です。しかし、家庭が壊れてくると、家に近づくにつれ体調不良、足取りが重くなったりします。子どももまっすぐ帰らなくなったり、依存症の方も飲酒している時は帰りづらく、何日も泊まり歩くこともあります。
  4. ケンカの絶えない家庭(暴力、暴言):家族は依存症者を、いなくてもいい人間、人が変わってしまった、死んで欲しいとすら考えてしまうこともあります。依存症の人は、自分が認めてもらえない状態に苛立っています。この状況が、ケンカを生みます。
  5. 子どもへの影響:子どもが健全に成長していくためには、家庭の機能として両親が子どもに対して十分な愛情を注ぐこと、一貫した態度をとることが必要です。しかしアルコール依存症の家庭では、両親ともに子どもへ愛情を注ぐ余裕を失っています。依存症者は酒を飲むことで頭がいっぱいで子どものことまで頭が回らなくなっており、配偶者は飲酒をやめさせよう、生活を守ろうと必死になり、疲れ切っています。このような環境では、子どもが大事にされていないと感じるようになってしまいます。そのことが、情緒不安定、成績の低下、不登校、家庭内暴力、抑うつ状態、自傷行為等の問題の一因にもなりえます。
社会的信用の喪失:

仕事:無断欠勤、遅刻、飲酒や身体疾患が理由での失職、転職の問題が考えられます。

警察:酔ってケンカ、飲酒運転、事故などで警察が絡んだ問題に発展することもあります。

知人や近所づきあいの喪失:飲酒にまつわる問題を繰り返せば、健康な飲み友達は一緒に飲むのを避けるでしょう。また家庭での役割喪失が起これば、近所づきあいや親戚付き合いも希薄となっていきます。

 

プレアルコホリズム

アルコール依存症の診断は満たさないが、以下の項目を満たすケースをプレアルコホリズムといいます。
何らかのアルコール関連問題を持っている。連続飲酒を経験したことがない。離脱症状を経験したことがない。
具体的には、ひたすらたくさん飲む人、飲酒のために臓器障害のある人、酔い方の悪い人、精神的問題を抱えている人、対人関係問題を引き起こす人などが当てはまります。

 

治療

治療の第一歩は病気であること、自分が依存症であることを認めることから始まります。
また依存症はどんな病気であるか、について勉強していくことが必須となります。そのためにグループワークとしてテキストを使用しながら勉強を進めていきます。
定期的な通院(1~2週ペース)、抗酒剤の使用、自助グループへの参加が必要になってきます。まずは問題が複雑化する前に自分の意思で受診をすることが大切です。

 

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