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うつ病の薬物療法について

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さっぽろ麻生メンタルクリニック院長の長岡です。

うつ病の治療において抗うつ薬を主体とした治療が行われることは多いかと思います。しかし、患者さんの多くは、抗うつ薬に対して不安や疑問など抱いていることが多いかと思います。

今回はうつ病を治療する上での抗うつ薬の適正な使用についてまとめてみました。

その前に抗うつ薬の種類について簡単に説明します。

主に三環系抗うつ薬と呼ばれるものと新規の抗うつ薬としてSSRI,SNRI,NaSSAというものがあります。三環系抗うつ薬は、副作用も多く、最近は第一選択薬として使用されることは少なくなっています。新規抗うつ薬の副作用で最もも多いのは、悪心、嘔吐などの消化器系の副作用で、その次に頭痛などが多いです。これ以外にもまれではありますが、activation syndromeなどの副作用やセロトニン症候群といって意識障害、発熱、筋肉のミオクローヌスなどか見られることもまれにあります。

そのほかにもSSRIには突然の中断により、離脱症状の中止後症候群が生じやすく、めまい、振戦、悪心などの身体的不調が見られることがあります。

もちろん正しい使い方をすることで、うつ病治療には必要不可欠であり、効果もみられることは確かです。

その為にも適正な使用について以下にあげておきます。

投与初期は、抗うつ薬は単剤で開始とする。至適容量まで増量していくことを原則とする。また治療初期は、1週間毎の通院が望ましいと考えます。この時期は効果判定というよりも、副作用のチェックのためと考えます。投与初期は、不安、焦燥などの副作用が生じることもあり、しかし、これらのことはうつ病の症状の増悪と鑑別が難しいこともあります。

 

それではうつ病の抗うつ薬治療の効果判定はいつ行うのかですが、一般的には4週から6週くらい待つ必要があると考えられています。

だいたいですが、治療開始2週後には、維持量まで抗うつ薬を増量していくことが多いです。

そしてこの時期から、さらに数週間効果判定まで待つのですが、多くの研究では2週目に良い治療効果が見られた患者さんは、その後の経過も良いと考えられます。すなわち、抗うつ薬の治療に対して、早期の反応はその後の回復への良い前兆といえると思います。

また6週まで待っても良い反応が得られない場合は、次の治療の選択肢として薬の切り替え、また診断の再考、薬物療法以外の治療法の提案などを考えていきます。

 

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